家族が自然に集まる理想的なリビングルームとは、どのようなものなのでしょうか。私の事務所では、建主に「住宅調書」への記入をお願いしているのですが、リビングに関する質問事項にだけはなぜか家族の個性が反映されないという傾向にあり、私にとってはたいへん興味深いデータになっています。例えば、「どんなリビングがいいですか?」という抽象的な質問では、幅のある自由な回答を求めているにもかかわらず、ほぼ一〇〇%に近い方が「できるだけ広いリビングルーム」と書き込みます。
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さらに、「そこには何を置きますか?」という質問には、まるで示し合わせたかのように「ソファとテーブル」と答えているのです。また、応接セットが揃った広いリビングルームへの憧れは非常に強く、このイメージは、新しく住まいを建てる場合に限らず、すでに定着してしまっているようです。しかしそもそも、リビングルームとは、家族が集まってくつろぐ場所であり、団らんを楽しむスペースですから、家族構成の違いはもちろんのこと、夫婦の趣味が最も反映されるべき空間であるはずです。おそらく建主の多くは、客間と茶の間をごっちゃにイメージし、リビングに両方の機能を持たせようとしているのかもしれません。というのも、リビングを求める目的として挙げられる答えは、「突然の来客に対応するため」「ホームパーティーを開きたい」など、家族以外の人たちと交流する場としてリビングを想定し、同時に団らんをも楽しみたいと考えているからです。